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2024.05.16 |


ちいさなこころ

妹さんと昨日スマデラをしていたら何だかFE紋章話になり、
マルスはシスコンだよね、という話になり
(マリクに姉上をやるものか!とか何とかそんな妄想から)
彼女のマルス設定に感心しながらピカーンと来たので書いてみました。

前振りが長いですが、突発なFE小説です。
しかもバレンタインネタ(遅)
ホワイトデーネタもスマでありますので後日、暇な時に。

小説のリハビリになればいい、ホントに書けなくなってしまってるから。
あ、でもBGMによってはサクサク書けるかも。

勢いで描いた落書きもアップしておきます。



スマのマルスにならないように…と描いたけども、こっちの方が好みかも。
ちょっと女々しく描きすぎてた感もありますしね…描き方変えようかな。


---

いつも朝は寝起きの関係で、食欲が無くて毎日申しわけ程度に食べるマルスの目の前に、てん、といった効果音が合いそうなシロモノが置かれている。
「………」
朝食の後、いつも簡単なデザートは出ていた。が、これはデザートと言えるような簡単な物ではない。正直、食欲のない彼にとっては苦痛に見えてきた。
「母上、姉上……これは?」
それだけを呟いて、意図する所を取り違えられないだろうかと、思わず口を閉じた。見ているだけで胃凭れしそうな気もする。いや実際にはしないけども、食べるのが今じゃなければ、喜んで食べただろう。
目の前には、ホールの大きいチョコレートケーキが一つ置いてある。

「今日はそういった日ですからね。でも王子、別に今無理してお食べにならなくても」
仕方なく無理やりにでも口に入れようとしかけたマルスに、侍女の一人が声を掛ける。いつも朝の給仕をしてくれている彼女は、彼が朝食を殆ど食べないことも知っていたから当然だった。
朝食で同席していたコーネリアス王は既に退席していた。同じように出されたケーキも何事もなかったかのように召し上がっている。
「お父様には少し足りなかったかもしれませんね」
「まあ……あの人はあまり口に出さないけども、きっと喜んでいたわ」
姉と母は空になった主の席を見つめている。気にしてないような雰囲気ではあるものの、やはり直ぐに食べて貰ったことが嬉しかったに違いない。
二人を悲しませるのは、と思い当たってマルスが意を決して食べようとした時。
「マルス。無理そうなら午後のお茶うけとして置いていても良いのよ」
口調は優しかったけどピシャリと止められた、と思う母の言葉が来た。

***

「今日はそのような日でしたか……道理で」
何かを思い当たるのか、ジェイガンが少し間抜けな反応を見せる。それに怪訝な顔をしながら、何だ?と王は聞いた。
「いえ、巡回を希望したがる者共が後を断ちませんので……なるほど」
巡回とは所謂外回りである。城下町の様子や不審人物が居ないか見回ることなので、あまり人数は要らない勤めなのだが、今日は人気らしい。理由が簡単に思い当たる辺り、王は思わず辟易した。
「たるんでいる証拠だ。今度、きっちり鍛え直しておけ」
「わかりました」
厳格な王の意見はもっともだとジェイガンも納得し、深々と頭を下げた。
平和なのは良いことだが、それに慣れてしまってはいざとなった時、ゆるみが出て来るからだ。

母と姉から貰ったケーキは結局お茶うけに回されることになり、教養の時間までまだ余裕があるからとマルスは廊下を歩いていた。行き先は特に決めていない。侍女達は片づけで忙しいだろうから話し相手にはできないし、マリクはいつも通りこの時間は図書室に籠もりっきりだろう。廊下を歩いていたら誰かが通りすがるから、その人と少し会話できればいい。そう思っていた。
「あっ」
歩いてそう時間も経ってない内に、宮廷騎士たちが何人か向かいからやって来る。彼らはいずれもキチンとした身形であるから、これから城外に出て行くのだろう。
「これから巡回かい?」
「あっ、これは王子。おはようございます」
誰よりも早くマルスの存在に気付いたアベルがサッと頭を下げる。それに遅れて後ろの三人も頭を下げた。何か話していたのか、彼らは少しはにかんでいる。
「……何か面白いことでもあったの?」
マルスが思わず後ろの三人――カイン、ドーガ、アランを見回すと、アベルは少し苦笑した。
「いえ、城下町に行けばチョコの一つや二つは貰えるんじゃないかって、そういった愚輩な話です」
「何だよ、彼女たちから貰ったからって、自分だけ他人事のように」
言い回しにカチンと来たのか、カインが彼を睨む。ドーガもそれは同じらしく、恨めしそうである。アベルは侍女から貰ったのか、とマルスは妙に感心しながら聞いていた。
「巡回をそのような気楽な感覚で捉えて貰いたくないのですがね」
主の手前だからか余り露骨には言っていなかったが、アランは小さく溜息を付く。この四人の中で一人だけ格が違うこともあり、彼は真面目だった。
「では王子、申し訳ありませんが失礼致します」
「え、うん……呼び止めてしまって悪かった」
アランのキビキビとした態度にマルスは思わず気圧された。一人立ち去っていくアランを見て、アベルも仕方ないと言った様子でマルスに頭を下げた。それに続くように二人も行ってしまう。
「……」
一人取り残されたマルスは、暫くどうしようかと考えた後、仕方なく図書室に行くことにした。まだ時間があるからだ。

思っていた通り、図書室にはマリクがいた。彼は彼で魔道を学んでいるのだが、自習で朝から此処に居ることをマルスは知っていた。
マルスは彼の対面に座るなり、さっきの騎士達の話を振ってみた。
「え、チョコレートですか?」
何でそんなに熱心に欲しがるのかわからないといったように、マリクは首を傾げた。そうだよね、と思わずマルスも頷く。一般大衆とは違う所に居る二人には、彼らの熱意の理由を知らなかった。
「そういえば……今日ってチョコレートが貰える日なんですか?」
「うん、そうらしいよ。僕も朝、母上と姉上から貰った」
へー、とマリクは妙に感心してから、思い出したように自分の脇の椅子を見る。マルスの所からは机が邪魔で見えないが、其処に何かあるらしい。
「もしかすると、さっきエリス様から貰ったのもチョコレートなんでしょうか」
「えっ、姉上から貰ったの?」
母と姉からとマルスは言ったが、二人で一つの物を貰ったのだった。姉から一つ貰った訳ではなかったから、思わず驚いてしまう。
「はい。じゃあ侍女さんから貰ったのも……」
「マリクって……意外と沢山貰ってるね」
侍女達はマルスが朝食では食べられないことを知っているから、あの時に渡さなかっただけだったが、マルスは自分よりも多く貰っている彼にちょっとだけ嫉妬した。それと同時に、カイン達がアベルに憤慨していた理由が少しだけ思い当たった。
そんな彼を知ってか知らずか、マリクは一つ開けて嬉しそうにする。
「本当に中身がチョコレートですね。マルス様、一緒に食べましょう」
「えっ? ああ、うん」
食欲の無さは相変わらずだったけども、マルスは何となく勢いで一つ貰った。コロンと一口サイズのそれは、ふわっと口の中で溶けた。
「……」
ケーキよりはこういった物の方が食べやすいかな、と何となく思う。彼が勧めてくるから、マルスはもう一つ取った。
「……これって姉上から貰った物?」
「いえ、侍女さんから貰ったチョコレートです。エリス様から貰った物も、今食べられますか?」
朝食後でお茶の時間にはまだ早い、そんな時間。一気に食べるには勿体ないし、かといってそっちの方も食べてみたい。姉上から貰った物ならきっと美味しいに違いない、と考えて、マルスは頭を振った。
「お茶の時間になったら、一緒に食べよう。チョコレートケーキもあるから」
「わあ、じゃあ勉強を頑張らないと!」
チョコレートに込められた意味をよく知らず、何かの褒美かのようにマリクは微笑んだ。マルスは何となく意味を理解して、彼ら騎士達と同じようにがっつくのは止めておこうと、思った。




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マルスがシスコンでピカーンと来た話?
BGM:FF12 オズモーネ平原

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2008.03.11 | Comments(0) | Trackback() | その他


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